アーティストの一番の障壁は孤独かもしれない
自分の好きなことをして生きてゆきたい。
独立したい。
そう思った時、思いとどまらせる理由はなんでしょうか。
お金の問題。
家族の問題。
他にもいろいろあるけど
実は孤独になるというのが身近で大きな問題ではないでしょうか。
会社に所属していれば、
生活が安定する収入と同時に、
誰かの役に立っているという安心感や
所属意識があって精神的に安定します。
何よりも、毎日誰かに会うことができる。
嫌いな人に毎日合わないとならないのも辛いけど、
誰にも会わないで何日も過ごすことも辛いものがあります。
僕は独立して長い間売れない作家時代を過ごしました。
お金がないけど、東京にしがみ付いていたので、
親のスネをかじり続ける、どうしようもない作家でした。
そのころの話はこちら(30代になっても親のすねをかじり続けた日々のこと。)
いつも部屋にこもって作業しているし、
食事は自炊だと、1日に誰かと交わす会話が
スーパーのレジの人に言う「ありがとうございます」だけの日が何日も続きます。
誰にも必要とされないし、
自分で生きてゆくことさえできずにいました。
誰とも話さないので、たまに人に会って話すと、
話すときの口の周りの筋肉が衰えていて、うまく口がうごかせなかったりします。
そんなの、とても健康的とは言えません。
規則正しい生活をして、食事もきちんととっていても、
孤独感は消せなくて、
それが何よりも大きな、壁のようでした。
物作りの毎日を送ると言うのは、
やはり孤独なものです。
孤独と向き合い、その中でいつまでも消えない
希望の芽を育て続けられるか、
それがアーティストが超えなければならない障壁なのかもしれません。