高いところから見る東京が好き

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過去作に夜景と月を描いた作品があります。
蒔絵玳瑁宝石箱「街の空」

浅井康宏
蒔絵玳瑁宝石箱「街の空」

この作品はもともと2013年ごろに公募展のために制作し、
2017年に全面的に作り直した思い出ぶかい作品です。
この作品のシリーズを作りたいと思い、
最近取材を重ねています。
その中で、

「街の光をできるだけ高い視点から見たい」と思うようになりました。
というのも、高いビルから見る夜景も綺麗なんだけど、
夜の飛行機に乗って羽田空港を飛び立つ機内から見る東京の夜というのは、強烈なイメージなのです。
人間の息遣いが塊になって脈打っているような。

実際に新宿のような過密なビル群からは
血管のように街の光が伸びてゆき、何かの生命体のように見えます。

空から見る光りの1つ1つに人間のドラマがあるんだけど、
それをどうやって描けば良いのか。
「もっと見たい!」という思いが強くなってきて
ヘリコプターをチャーターして
取材に出かけました。

当たり前だけど、ヘリコプターって、飛行機より繊細で、
気象条件により飛ばなくなることがあります。
1度目のチャレンジは4月でしたが、
雲の状態が悪くて延期。

2回目で飛ぶことができました。
僕は雨男なので、心配でしたが、
飛ぶには飛んだけど、
飛んだ直後から雨が降り始めてしまい
取材としてはベストとは言えない状況でした。

それでも、
ヘリコプターから見る東京は感動しました。
降りてからもしばらく鼓動が高鳴るような感じ。

うまく作品にできるかはわからないけど、
また夜空から東京を眺めたいと思いました。