スタッフに感謝

今年はどんな年でしたか?
一年も終わりに近づくと、いろいろと振り返ってみたくなります。
僕としては、いくつか大きな変化がありました。

一番大きい変化としては
スタッフと一緒に制作をするようになった事です。
一週間のうちに多くて二日ですが、
二人の後輩と一緒に仕事をするようになって
いろいろ心境的にも作品的にも変化が出てきたと思います。


 

変化①
作品の質が向上しました!
僕の制作は、とても反復作業が多いです。
特にパーツ作りを始めると、長いもので一ヶ月以上
パーツを作り続けます。
その仕事を手分けしてする事ができるようになりました。
そのため、僕は直接作品に触っていられる時間が飛躍的に長くなりました。
さらには、小さな作品も大作のようなクオリティーで制作する事ができるようになりました。
外注でできる事もたくさんあるのかもしれませんが、
同じ作業空間で作業をする事によって、意思疎通ができて作品制作には理想的な
チームワークが整ってきたように思います。
外注ではこの部分が上手く行かないので、来年もチームワーク重視でやっていこうと思います。


 

変化②
得意の相乗効果が発揮されました!
漆がどんなに好きでも、作業によって得意不得意ってどうしても出てきてしまいます。
特に漆の場合1つの作品を作り上げる工程はとても多いので
得意な部分を担当してゆくと、作品の質がさらに上がります。

今年の作品に関しては、器物の内側に布を貼る、内貼り作業をするのですが、
スタッフの一人が額縁や表具の仕事を平日におこなっているので
本職に器物の内貼りを頼む事ができました。
得意分野で相乗効果が生まれて、色々なアイデアも生まれてきます。


 

変化③
孤独ではない
ばかばかしく聞こえるかもしれませんが
孤独ではなくなりました。
20代の頃は特に、強い孤独感に苦しんだ時期もありました。
実家にいて仕事をしていても、どうしても孤独を感じていました。
30代になると、少しは孤独にも強くなりましたが、
一緒に作品制作に向かうスタッフがいると、心境が全く違います。
作業手順の相談や、意見を聞けるようになりましたので
直接的な部分はもちろん、精神的にも一緒に作業をすると楽しいですね。


 

変化④
忍耐強くなった。
自分と違う人間と一緒に作業をするので
思うように行かない事もたくさんあります。
そんなとき、起こってしまった事に心を乱されるより
現状をどうすれば改善できるか考えるようになりました。
どこまで上手く行っているかはわかりませんが
これでも忍耐強くなったと思うのです。


 

工房制作にはメリットとデメリットがあると思いますが
総じて作品の質は向上していると思いますし、
これからも上げてゆける要素をたくさん見つける事ができました。

とにかく今年はスタッフにお世話になりました。
とても感謝しています。
これからもたくさんの作品を作ってお互いに成長してゆければと思います。

漆が大好きな僕たちは来年も一生懸命作ってゆきます!