行動と言葉は自分に返ってくる コレクションの不思議

僕は人の作品を買うのが好きなので
おのずと出てくる言葉があります。
「初日前に売約入れときます」
「お金用意して次の作品買いますね」
「いい作品をありがとうございます」
「いつでも待ってます!」
コレクターとしては、1番いい作品を買いたいから、付き合いがあるギャラリーだと
リスト送ってもらって、あらかじめ予約しておきます。
これって、作家としては助かるんですよ。
初日にギャラリーに行ってみたら、すでに売約の印がついている事になるので
負担が軽減されます。
やっぱり、毎回展覧会はスタートしてみないと状況がわからないので
初日はとても緊張します。

僕がよく言うこの言葉
「初日前に売約入れときます」
「お金用意して次の作品買いますね」
「いい作品をありがとうございます」
「いつでも待ってます!」
実は、お客様に言ってもらえる言葉なんです。

何度か書いてきましたが、売れている作家というのは
他人の作品を買っています。
少し前に開催された、横浜美術館の「村上隆のスーパーフラット・コレクション」展
1人の芸術家のコレクションで大型美術館を埋める企画展なんて、ただ事ではありません。
村上隆さんは世界的な芸術家ですが、同時にコレクターでもあります。
アートシーンのトップを走り続けている村上さんが他人の作品に興味を持っているのは当然なんですね。

さて、売れていない作家の口癖があります。
「お金があったら欲しいんだけど」
この言葉は、必ずその作家自身に返ってきます。
展覧会を開いても、お客様に言われてしまうんです。

作家って、美術に対して異常な執着を持った人間です。
その人が「お金があったら欲しいんだけど」という言葉を口に出してはいけないんです。
人生に必要な作品なら、どんなにがんばっても手に入れなければなりません。
それができないという事は、自分の作品でそれだけの気持ちを誰かに提供できていない事ではないでしょうか。

作家なら食費を抑えてでも、買わなければならない作品はあります。
なぜだかはわからないのですが、このような美術への欲求は返ってきてしまいます。
こんなに夢中になれる作品を作ってくれてありがとう!と思って
少しずつコレクションを増やしてゆくと、きっと自分の作品の中にも
誰かを幸せにできる力が宿って行くのではないかと思います。

とは言っても、この売れてる作家はみなコレクターであるという理論。
まったく根拠が無くて、不思議です。
不思議ですが、この不思議な理論が正しいと信じているので
人生を使って実験してみますよ。
コレクションを拡大しすぎて、自分の制作費がなくなったら笑って下さい。

Twitterにコレクションしてる作品を紹介する事があります。