良いものは全部盗む

尊敬する人がたくさんいて、そういう人たちの良い部分を全部盗もうとしています。

例えば
勤勉さ
博識
話し上手
聞き上手
人が好き
こだわり
徹底
表現力
技術などなど

上げればきりがありませんが
僕に影響を与えてくれる方々というのはやはりかっこ良くて、
そのニュアンスを全部盗もうとします。

どんなにがんばっても、自分が持っている元々の性質があるので
憧れる部分の1%くらいしか自分の物にできないのですが、
それでも、100人の憧れ要素をかき集めたら、理想の自分に近づけるかもしれない。

盗む相手は現実的な師というのが一番良いですが
本の中や、歴史の中にもたくさんのかっこいい人がいて
そういう人たちの生き方の中からも盗んで来れます。

本や歴史は誰かが一生をかけて進めてきた人類の形跡なので
学ばなきゃ損!

それとともに、やはり同じ時代を生きている憧れの人に会うのも必要です。
だから会いにいきましょう。すごく憧れてると、会う機会はきっとあるし
質問したいこともたくさん出てきます。
たくさん質問して、いろいろなことを聞いて昨日と違う視点を得てゆくと
未来を自分が思うような形に変えてゆけるような気がします。


憧れの人に会う時に僕は独自のルールを決めています。

ルール1
一人で会いに行く
一人で会いに行かないとだめです。
それが展覧会場だろうと、その人の自宅や、アトリエでも一人で会いに行くようにしています。
理由は、単純に質問できる時間が減ることと、一番おそろしいのが自分が弱くなってしまうことです。
なんとなく集団で動くと、安心ですが、アウェーに飛び込んでいって一生懸命話したいと思うのです。

ルール2
その人の著書を全部読んでる
その人がどんな人で何を考えていて、なんでこの作品を作ったか
全部知ってから会いに行きます。
じゃないと話もできないので、どうしても会いたい作家さんの文書や発言は可能な限り読みます。

ルール3
緊張しない
ものすごく憧れている人がすぐそばにいると、緊張します。
でも、よく考えてみるとその人もきっと数十年前は自分と同じ行動をとっているのです。
間違いなく成功している人はその分野で大量の行動をとっています。
当然多くの人に会ってたくさんの影響をうけています。
生意気ですが、最大級の尊敬をもって同じ作家としてその人に出会えれば良いなと思うのです。
それでもやっぱり緊張する時はしますけどね。

ルール4
相手にされなくても気にしない
これはほとんどないのですが、相手にされなくても気にしないメンタルが必要です。
あからさまな無視はないと思いますが、話が噛み合なかったり、挨拶程度で終わっても
あまり気にしないようにします。
だって、この相手にされなかった記憶が力になります。
「今度会った時は、もっとすごい作家になって話をしよう」
「雑誌の対談なんか組んでもらえるような作家になろう」などなど
自分を大きくする原動力になります。


一生懸命生きていたら、多くの出会いがあります。
自分にできることとできないことはありますが、それでも憧れて少しでも前に進めたなら
いつかきっと同じ道を上ってくる誰かの助けになるのではないかと思います。
盗むって言う言葉は悪いですが、知らないうちに盗んで僕は自分の物にしてゆきますよ。