最後の夜の唄
画像の作品「夜の唄」というタイトルの作品です。
酒器としては4シリーズ目くらいです。
この「夜の唄」は20客木地を制作して、グループ展ごとに約5客ずつ出品してきました。
いっせいに制作しないのは、小さい作品ですが、かなり手間がかかるからです。
「夜の唄」現在制作中ですが、今回の4客で最後となります。
この作品はとても人気で、出品するとだいたい初日で全部購入頂く事が常でした。
1点は金工の人間国宝の先生が購入してくれました。うれしい!
今回の4点が最後だと思うと少し寂しいような気がします。
なぜかと言うと、正直これほど造形と加飾が一体となって、完成された酒器は僕の中で初めてだったからです。
また、内側に加飾がほどこされているので、お酒を入れると一層輝いて美しいんです。
(購入してくれた親戚の家で、お酒をいただいて驚きました。透明な冷酒の底にキラッキラ!)
この作品を発表したのが1年前の春でした。つまり、1年と少しの間に少しずつ20点制作した事になります。
その時から少しだけ加飾のパーツを変えました。
パーツはタガネで1つずつ打ち抜いて作るのですが、そのタガネの形を少し変えたんです。
その後また別作品のためにタガネをマイナーチェンジしたら、その形がすごく良かったんですよ。
だから、9割方完成している最後の「夜の唄」の加飾部分を全部研ぎ直して、新しくできた最高のパーツを貼る事にしました。
(今まで何時間もかけてきた加飾を全部取って、1から再スタート。。採算度返し感がすごい。)
でも、この違いって作者にしかわからないような小さな違いなんですよ。
全体から言って1%くらいの違いです。
それでも、最後の「夜の唄」最高のものを作りたいと思うんです。
大作並みに気持ちを込めて制作中です。
あ、今までの16個もクオリティもちろん高いですよ!