敗退は自分の心からやってくる

プロスポーツの世界では身近な先輩を尊敬してはいけないようです。
なぜかというと
先輩を尊敬してしまうと、自分の中でその人を越えられないという思いが芽生えてしまうから。
たとえば、
高校生が卒業してすぐにプロ野球に入ったとします。
当然、プロ野球ですから同じポジションの先輩がたくさんいるわけです。
そこで先輩を尊敬してしまうと。
「先輩すごいっす」
「先輩越えられないっす」
となってしまいます。その気持ちすごくわかる。

こう言う経験って実は僕もしています。
新しい環境に入った時に、先にいた人をすごいと思ってしまうと
成長が極端に遅くなってしまいます。
僕の場合美術予備校に入った時など、「浪人生はやっぱり絵がうまいんだろうなー」「先輩すごいっす」と感じてしまいました。結果はぼろぼろで何が正しいのかわからなくなっただけでした。
実際は実力差なんてそんなに無くて、どんな状況であってもさっさと飛び越えてゆけばいいんです。

普通、学校では段階的にしか物事を教えないし、順番や優劣をたたきこみます。
しかし、現実の世界はそんな構造になっていません。

先輩や先生は人格的に尊重しつつ、仕事とは切り離して考えないと
気持ちが子分キャラになってしまい、成長スピードが落ちてしまいます。

このように「人」対「自分」の負け意識があれば
「業界」対「自分」の負け意識もあります。
業界の常識とでも言うのか、この業界はこうであるという思い込みを抱くと思考は停止してしまいます。
特に、年齢的な常識や収入的な常識は根強く強力で、いとも簡単に「自分はまだまだ」とか「この業界の稼ぎはこんなもん」などと心がぬるま湯につかりたがります。
でも、この考え方は自分としてはちょうど良い温度の場所にずっといられて気持ちよいかもしれませんが、サービスを受ける人にとっては迷惑でしかありません。

プロの歌手は全力で歌ってるし
アスリートは必死に走ってます

前例や肉体的なリミットを越えて初めて人を感動させる事ができます。
そりゃあ、途中段階ではすごく惨めだし、かっこわるいけど、遠慮せずに一生懸命仕事しないと人を幸せにできないんですよ。
きっと、どんな仕事でもそうなんだけど、敗退は自分の心の中にあります。
仕事って誰かを幸せにするためにあるので、勝手に自滅してはダメですよ。きっと自分の仕事で幸せにできる人はたくさんいますからね。