好きを仕事にする壁 その2

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もう1つ
価格の壁が立ちはだかります。
作家は最初、自信が無いからすごく安い価格をつけてしまいます。
それで制作活動が続けられるならいいのですが、ほとんどの場合アマチュアから抜け出せません。
よく見るのが、学生さんが小さなフェアに出展してものすごく安く販売するケース。
これは最悪だと思います。
売れないという苦しみを感じずに
少しのお金を手にしてしまうからです。
工夫して上手くなればいいのかもしれませんが、
3000円の作家から300万円の作家になるのはかなり難しいです。

僕の出品作品は初期から100万円以上でした。
でもそれは無謀な価格帯だとは思っていません。
実際に購入されている価格なので、適正価格と言えます。
最近では、伝統工芸展(本展)作品はもっと高くなっていますが、
それでも、所蔵家の方に収蔵してもらっているので、キャリアと共に作品価格をあげる事も作家の仕事だと思っています。
作品価格は上がってゆくので、最初期にコレクションしてくれた所蔵家の方ほど目利きであり、いい買い物ができる事になります。

ただし、作品価格を上げ続ける事は至難の業です。
多くの作家はそこそこのところで、安心してぬるま湯につかって頭打ちになります。
作家は常に次のステージを目指して、加速し続けなければなりません。

さて、どんな仕事でも
好きな事を仕事にしようとすれば同じ原理が働くと思います。
自分を安売りせず、価値を高め続ける事がポイントです。
1日の時間は24時間しか無いので、労働の価値をあげ続けなければなりません。
スタート時のゼロの段階から1にするのはとても難しいです。
簡単に破格の仕事に手を出してしまいそうになりますが、
最終的な目標があるならば、適正な評価が得られる場所に身を置かなければなりません。
その結果、評価が得られないのであれば、それは自分の実力不足なので
努力を続ければいいだけの事です。

どんな仕事でもきっと
ゼロから1になるのが一番難しくて
何かのきっかけで、その1が足し算やかけ算のような効果で拡大してゆきます。僕はそう信じています。

好きな事を仕事にするのは、そんなに難しい事ではないけど、
やり方を教えてくれる学校は無いので、自分で研究しなくてはなりません。
僕は自分で研究した結果、昨日と今日書いてきた二つのポイントを意識して好きを仕事にしてきました。