中堅へ向かう その2

前回の続き 前回記事
単に忙しくなりすぎて多作になり質が落ちるというサイクルにハマる作家が多いように思います。

人気が出る

作品が売れる

グループ展などのオファーが増える

作品が足りなくなる

オファーに応じるため作品が小型化し多作になる

さらにオファーが増える

作品の質が落ちる

さて、書いていて恐ろしくなりましたが、
この現象にハマってる若手作家が沢山いるように思えます。
そして、リアルタイムで眺めてこれなかった昔の作家もきっと似たようなサイクルにハマってしまったのではないでしょうか。

この「作品の質が落ちる」あたりがデビュー(もしくはブレイク)して10年あたりで
ちょうど中堅作家と呼ばれるくらい。
価格もじんわり上がっている状況。


十年ほど日本を中心として美術業界を見ていたら
「ああ、あの人消えちゃったな」と思える瞬間を何度も目の当たりにして来ました。(消えるのだから、瞬間というのはちょっと違うかもしれないけど、落ち目感は瞬間的なものな気がします)
コレクションが工芸中心じゃなかったから、人口の多い絵画系作家の盛衰はとても勉強になりました。

で、今思えるのは
「なんでこれだけデータが揃ってるのに
みんな繰り返しちゃうの!?」

単に乗り越える才能がなかったといえば簡単ですが、
期待に応えたい自分がいるんですよ。きっと
考えてみてください。
美大受験時代からずっと貧しくて
卒業後も誰からも期待されなくて何年も何十年も作って、描いて来たんです。
そしてある時期、日の目を見たら、、
頑張りたくなりますよね。
頑張って、頑張って、でも作品が足りなくて
小さい作品でも頑張って、
そこでも売れたら、たいていの人は自分の作品の質の低下に気づきませんよ。

そして、、
今の僕の現状に、大してブレイクも知名度も上がってないのに
このサイクルの前兆が見られるのです!!

続く

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