中堅に向かう その3

前回の続き前回記事はこちら

大ブレイクもしていないのに
悪いサイクル
作品需要が増えて、無理に数を作って
結果、品質が下がり、売れなくなる。

ここの前兆を感じています。

何が起こっているかというと、
まず、グループ展が数年前と比べ物にならないくらい増えました。
この変化はかなり明快で、つい四年前まではグループ展に呼んでもらえることなんて
年間に1回あればよかったのですが、ここ数年は年間平均三回くらいの計算で予定があります。

「たった三回かよ!!」と怒られてしまうかもしれませんが、
年間制作数を考えたら、このラインはギリギリです。

この予定をカレンダーに書き込んだ時に思ったのです。
「あれ、俺、悪いサイクルに入ってないか?」

でも、実は手を打っています。
結論から言うと、僕の作品は小型化することも
こぢんまりすることもありません。
その代わりあまり多作になることはできませんが、
作品の質は必ず上がってゆきます。

なぜこう言い切れるかと言うと
制作のプロセスを数年前から構築していたからです。
個人作家制作全盛の現代ですが
工房体制で作ることを数年前から取り入れています。
僕の制作は漆の生産から始まるので
山づくりからスタートしています。
そこから全て自分で作ることの限界を早い段階で感じていたので
現在もチームで作っています。
僕の仕事は蒔絵をすることだと思っているので
下準備まではできるだけチームで行なっています。

なので、個人で作る以上の制作を想像できます。
その想像の産物を実際に作り上げれるかは今後の活動にかかっていますが、
これが僕が描いている中堅に向かうためのストーリーです。

つまり、時間がかかる制作をしているので
そこを省くことなく、チームで作ることにより
手を入れる時間を最大化させて、今より少し多い作品を圧倒的な品質で作ること。

それが結果的に人材育成にもなると思っているし、そのために京都を舞台にしたとも言えます。
13年前から漆の植栽を始め、去年から採取がスタートされたことも結果的には最善でした。
とにかく、
人生をかけて実験をしてみようと思います。
結果は僕がどのような中堅作家になっているかでわかると思います。

それでは今後も「漆に生きる日々 京都編」をよろしくお願いします!