「サピエンス全史」これは、、本当にオススメな本です。
書店に行くと〇〇がオススメしてる!!みたいな帯の本をよく見かけますが、
「サピエンス全史」という上下巻の本は、ビルゲイツが絶賛しているみたいです。
ちょっと難しそうなイメージの本で、しかも上下巻という分厚さ、とっつきにくそうだけど、
レビューがかなりいい感じです。
さて、この本のすごいところは、ある意味著者の超主観が入っている部分だと思うのです。
だから、「全史」とありますが、歴史書というより「物語」としてサラサラと頭に入ってきます。
例えば、上巻の前半部分に人類種は複数存在しており、それがホモ・サピエンスを残して全て地球上から消えてしまった。
その理由はホモ・サピエンスの組織力による攻勢であり、他の人類種に無くてホモ・サピエンスが持っていたのは、
物語の力だという著者の考え方。
つまり、何らかの信仰(物語)なり、信念で集団を作ることができたホモ・サピエンスは、
見ず知らずの人とも共通の信仰(物語)を元に組織を形成し戦うことができた。
一方、他の人類種、例えばネアンデルタール人などは、主に家族単位か、その集合体程度の組織力しかなく、
そのため組織力に優れたホモ・サピエンスにより徐々に勢力を弱めて、そして地球上からいなくなった。
すごく、理解しやすいですし、情景が浮かぶストーリーです。
だけど、このストーリーは作者の考え方による仮説ですよね。もちろん発掘物などから
組織の構成などの情報はあるでしょうが、彼らの社会形態を知るすべは極めて少なく、現在の結果から仮説を立てるしかないところも多々あるわけです。
しかし、僕の想像力をかきたててくれる本書は、ただの歴史書ではないのです。
全編がホモ・サピエンスという私たち人類種について書かれているので
私たち人類がどう変化してきたか、そしていかに変化してきていないかを物語のように語りかけてくれます。
つまり、美術を必要としてきた感情であるとか、
資本主義と人間のあり方とか、アートや市場性の教科書のようにも受け止められるのです。
実際、僕はこの本をビジネス書だと思いました。
そして、美術史でもあると思ったのです。
人生というのはたかだかしれた短いものですが、人類の物語から自分の生き方のヒントを得られるような気がします。
最近読んだ一番想像力を掻き立てる本でした。