ふりそそぐ青い光
今年の本展の作品
蒔絵螺鈿飾箱「ふりそそぐ青い光」
第65回日本伝統工芸展に出品しております。 pic.twitter.com/dABjsz1J3m
— 浅井康宏 (@YasuhiroAsai69) 2018年9月23日
ふたを開けると三段の飾り箱になっています。
今年も伝統工芸展出品することができました。
被印籠蓋作りの蓋をあけるとこんな感じで三段の身が現れます。 pic.twitter.com/UoBmEMF1sA— 浅井康宏 (@YasuhiroAsai69) 2018年8月3日
僕の作品にしては珍しく
具象的なテーマです。
花のスケッチはずっと続けていて、とくに藤は毎年のようにシーズンになるとスケッチをしていました。
藤って光みたい見えます。
上から降ってくるように咲いているからなのか
木漏れ日が黄緑と紫に目に入ってくるからなのか、
他の花とは違う、物体としての花というより、藤棚から溢れる光そのものに見えます。
さて、制作を開始する前、さらにスケッチを重ねました。
花の作品を作るときは、その花を見ないでも描けるくらいになるまでスケッチを重ねます。
おおよそ一週間くらい色々な場所へスケッチブックを持って出かけました。
加飾の過程も、時間がかかりました。
始めてすぐに、貝の色分け作業と貼り付け作業に膨大な時間がかかることがわかったのです。
一日におよそ三枚の花びらしか進めることができませんでした。
完成が見えてくるようになると、
作品が色々な表情を見せ始めます。
雨の日の雨粒の光
月明かりや星屑
どこまでも続く藤棚の情景
結局のところ、素材と表現が自己主張し始めて
僕の想像が追いつかない作品になりました。
伝統工芸展のようなたくさんの作品が並ぶ環境よりも
一点を見つめる場所にあると、また違った表情を見せてくれる作品です。
表現的にも、技法的にも新しい発見と気づきのあった大切な作品となりました。