クロスロード

「クロスロード伝説」というのがあります。
音楽、とくにブルースに関心がある方なら知っているかもしれません。
伝説的なブルースギターの名手、ロバート・ジョンソン
彼にまつわる伝説が「クロスロード伝説」です。

伝説ではある十字路(クロスロード)で彼は、悪魔に会います。
そこでブルースの神髄と引き換えに、魂を売りました。

彼の残した数少ない音源はブルース界のみならず
ロックにも多大な影響を与えます。
多くのミュージシャンが彼の曲を演奏しています。
だけど、実際オリジナルを聞いてみても
よくわからないのです。
音質は悪いし、現代のギターテクニックからすると
ロバートジョンソンがいかにすごかったとはいえ
原始的に聞こえてしまいます。
リアルタイムで聞く事ができたら
全く違った感動があったのでしょう。

「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」においてロバート・ジョンソンは2003年は第5位、2011年の改訂版では第71位。

(出典 wikipedia)
(世界的にも、やはり影響力のあるギタリストであることは間違いないので
前後関係も調べながら、じっくり聞いたら発見があるのかも。)

悪魔との契約後、彼は伝説のブルースマンとなります
そして、27歳という若さで殺害されています。
殺害方法は諸説あるようで
毒殺、または刺殺とあります。
どちらにしても、まともではありません。

この伝説はきっとフィクションで
当時のロバートジョンソンがすごいプレーヤーで
色男で、衝撃的な死を迎えた事が後に伝説となったのでしょう。たぶん。。

でも、彼が写っている写真の目を見ると
なんか普通じゃ無い気もするんです。
かっこいいのに、コワい感じ。

曲を聴いてみても、ブルースの古典スタイルが続くのでよくわからないのが正直な感想です。
しかし、一曲だけ、あきらかに別人の声で歌われている曲があります。
They are Red Hot」(youtube リンク)
他の曲とは明らかに声が違っていて、とても奇妙に感じます。

なぜ、こんな事を書いているかと言うと
美術にもこのクロスロードがあるような気がするからです。
美術の場合あからさまな悪魔との契約は無いと思いますが
自分の人生を使って何かを作る
そのために、あらゆるものを犠牲にしなければならない
という意味で、それぞれの十字路で何かと契約をしなければならないのかもしれないと思います。

誰かに殺されはしないと思いますが、
人生の時間とお金を使って作品制作をします。
それがまったく検討はずれでも作り続ける人生って、ある意味理不尽なものかもしれません。
でも、美術を志してそこにのめり込んでゆくと、そこに人生をかけてみたくなります。
作品で世界を変える事ができるんじゃないだろうかと思います。

もし僕が僕の十字路にたっている時
美術の神か悪魔が現れて
「美術の神髄とお前の魂を交換だ」
と契約を持ちかけられたら、僕は間違いなく魂を差し出すと思います。
迷う暇無く秒速で差し出します。
ひょっとしたら、すでに違う形で契約を済ませているのかもしれません。

美術の場合それが悪魔では無く、神様だったらいいなと思います。
美術の神はミューズという女神様らしいので、契約はぜひ女性と交わしたい。
今後もそうであってほしいなと思ってみたります。

アーティストの皆さん十字路(クロスロード)にはご用心。