漆以外で習った事

学生時代の林先生
卒業後、蒔絵を室瀬先生に習いました。
当然漆を中心に勉強してきました。
だけど、漆以外に習った事で印象的な事もあります。

林先生とセッション

富山大学の林先生は、ものすごく音楽の好きな人です
なんかよくわかりませんが、なんでも楽器が弾けてしまうイメージがあります。
特にギターは上手くて、アコースティックギターを渡すと
どんな曲も弾き語りできてしまいます。
驚くのがギターの場合のTAB譜という楽譜か、コード進行表を見て弾くのですが
それがなくても弾き語りできてしまうんです。
どうやら、コード進行には理論があって、感覚的にそれがわかるらしいのです。

僕も中学生の時からエレキギターを弾いていましたので
ある時、先生を誘って、ブルースのセッションをしました。
お互い、打ち合わせしていなくても「せーの」で始められるのがブルースのよいところなのですが、
思ったより上手くいって、楽しいセッションだった記憶があります。
その後、学園祭で、自作の曲を友人グループで演奏したりしました。
その時、林先生に音楽理論を教わりました。
ギターを弾く事はある程度できたのですが、理論を知らなかったので
林先生がピアノの鍵盤の図を書いて説明してくれたのが、目から鱗でとてもわかりやすかったのです。
漆を勉強しにきて音楽の知識を得るとは思いもよりませんでした。

高校生のときは弾き語りとかは全くしていませんでしたが
林先生から音楽理論をならってから自分なりにキーを調節して、歌う事もできるようになりました。

室瀬先生に習ったピカピカ水場

室瀬先生にはよく整頓や掃除に付いて教えてもらいました。
家庭環境による、身の回りの整頓基準とは、それまでの人生で作り上げられてゆくものがあると思いますので
衝撃だったのですが、とにかく水場を大事にするという事を知りました。

先生の元で勉強するようになってから、
自分の家でもトイレ掃除を毎日行うようになりました。
一人暮らしだと、たいして汚れませんが、それでも毎日掃除をしていると気分がいいです。

ある日、仕事場で砥石等を整理して帰ろうとしていると
「浅井、シンクを拭いといて」と言われました。
「シンクって拭くんですか?」ってくらい自分の中で、拭き上げる対象ではなかったので
けっこう驚きました。
使った後にシンクを拭いとくと、なんとも美しいし、気持ちがよくなりました。
それから自分でもそれを実行するようになりました。
風水的な事はよく知りませんが、きっと良い事でしょう。
なにより、とても気持ちがいいのでおすすめです。

これは教わったわけではありませんが、お風呂も拭く習慣がつきました。
あとは玄関の掃き掃除、毎日水場を中心に掃除していると、
不思議と気持ちの整頓もできるように思います。

恩師との関わりは漆が中心でしたが、何気ないエピソードが自分の人生にちょっとした気づきをもたらす事があります。
そんなちょっとした事が、やけに嬉しかったりするんですよね。