経済に振り回されないもの作りと思考

FaceBookのフィードでこのような記事が流れてきました。

「爆買いバブル終了が銀座の百貨店を直撃、日本人を大切にせず後悔」
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記事の見出しは

「爆買いバブル」終了で閑古鳥が鳴く、銀座の高級デパートの惨状と後悔 もっと日本のお得意様を大事にしておけばよかった…」

銀座の高級デパートで閑古鳥が鳴いているという
外国人観光客への対応を強化したばかりに、日本人客を失ったと百貨店の店員
円高で爆買いの潮目が変わり、もうバブルは来ないという声もある

(出典 Livedoor News)

関東で生活していると、確かに銀座にアジアのお客様が増えた事を実感していました。
ただ、一部の海外向けお土産物屋さんでたくさん商品を買っているイメージがあり、
「銀座らしさを体験できていないのではないか?」という思いがありました。
銀座らしさとは、つまりVIP感です。
僕も外国に行く事がありますが、外国人向けのお土産屋って間違いなくおもしろくない。
Theお土産!てきなものって、全然良くないですからね。
同じく、観光地の料理屋も味と値段に??マークがつきます。
せっかく海外にいくのだから、そこでの普段の生活の中にいたいと思うんですよ。(話がずれてしまいました。)

さて、記事中では「爆買い」バブルが終わったと事に言及されています。
為替の変動と、関税の影響で爆買いは終わり、外国人観光客向けにカスタムしたデパートのフロアが悲惨である。と書いてあります。
なるほど。

昔から高級品(ブランド品等)は景気動向に左右されないという原則を忘れてしまったのでしょうか。
リーマンショック以降、アートシーンの流れがかなり鈍化したと聞きますが、それでも世界にVIPコレクターはたくさんいて、
作品は常に動いています。

この記事から読み解くことができる教訓があります。
単純に「経済に左右されない活動を続ける事」です。
外国人観光客や、好景気という自分ではどうする事もできない外部の影響をあてにしてはいけないんです。
特に美術は。

「バブルの頃はすごかった」
「景気が悪いから売れない」
「世間は美術の価値を理解できていない」

こういう話をする美術家はたくさんいます。
これら全ては、現在の自分の状況を全て外部環境の責任にしています。
そうではないでしょう。
アートシーンは動いているんだから、自分の境遇に納得できないのは、全て自分の責任ですよ。

高級なものって、機能以外の「」でお客様に選んでもらうんですよね。
たとえば、自分の心の中にあるのにうまく形にできないものを作ること。それが美術家の仕事の1つです。
「心の中にある風景を形にしてくれてありがとう」という言葉をいただけると僕はすごく嬉しいんです。
つまり、箱という作品ですが、誰かの心の原風景を造形化するという「」が含まれているんです。

外部の環境や景気動向に乗っかって商売をすると大切な「事」を置き去りにしてしまいます。
状況を見る事ができるかもしれませんが、人を見ていないので長続きしないのでしょう。

僕が作家として歩み始めたときはアベノミクスの前で、景気の底と言われていました。
リーマンショックやギリシャ危機があり、経済が停滞していましたよね。今もそんなに変わらないかもしれないけど。
そんなとき当時つき合っていた彼女が
「あなたはこんな最悪の景気の時に作家として歩んでるんだからすごいよね」
と、言ってくれました。
今より厳しい状況だったけど、一生懸命踏ん張っていたので、とても嬉しい言葉でした。

外部の環境に左右されず、厳しくても、自分を信じて人の心のために一生懸命作っている事を、理解してくれている言葉に思えました。