美大生が卒業までにやっておかなければならないこと
たぶん80パーセントくらいの美大生が卒業後に美術をやめてしまうのだろうけど、
高いお金と、何より大切な時間をかけて学んだのだから
少しくらいは自分や他人の人生に役立つようにしてもらいたいと思います。
よく考えてみてください。
美術を学べるなんて、豊かな国の特権のようなもので
たまたま日本に生まれたから学べる分野なのです
だから本来、中途半端に学んでいい分野では無いのですよ。
少なくとも、自分を含めて誰かを幸せにする必要はあります。
さて、一応美術教育を受けた身としては
在学中の学生さんに最低限やってもらいたいことがあります。
一人でもこのブログを読んでくれている学生さんに届けばと思って書きます。
まず、材料購入リストを入手するか、リストを制作すること。
卒業後に美術から遠ざかる原因の一つに材料入手と制作場所の確保の難しさがあります。
学校では当たり前のように使えていた備品とスペースが卒業したら無くなりますからね。
卒業後も制作したいのなら在学中から道具を集めないといけません。
一番悪いのは自分が今使っている道具がどこから買ったものか知らないことです。
特に工芸系は道具が多いのですが、最初に学校から一括購入するので
その後の買い足しの際に、困ることが多いのです。
せめて、今使ってるものの購入先を知っておく必要があります。
学校から支給されたのならその購入先リストが必ずあるので在学中にそれを必ず入手してもらいたい。
また、教授もそれぞれ独自の道具や材料購入先を持っていると思うので
それをしっかり教えてもらうことです。
技術開発や表現の開発は卒業後でも継続的に続けますが、
材料リストを1から作るのは難しいし、無駄な時間を使うことになるので
学生時代にやっておきましょう。
そしてもう一つ大切なのが
経済感覚を身につけておくことです。
美大って本気で「売れない芸術こそ純粋だ」みたいなことを
教えて、なおかつそれを地で行ってるおかしな先生がいます。
これは間違っています。
「あなたから大学教授の立場を奪ったら、明日の絵の具も買えないよ。どうするの?」
と言ってやりましょう。
工芸系は技術前提の世界なので
「感性」だとか「純粋」などと言ってくる先生が少なくていいと思います。
さて、経済感覚ですが、実際は卒業後にしか身につかないものです。
ですが、意識していることは大切です。
やってはならないことが一つだけあります。
それが学祭などで自分の作品をものすごく安く売ることです。
学生品質だからと安く売りたくなりますし、
安いと売れてしまう可能性がありますが、
中途半端な売れる喜びを手にしてはなりません。
1作3000円で何かを売ってしまった作家が300万円の作家にはなれませんからね。
適正価格で所蔵してもらえないなら自分の努力不足なので
価格に見合う自分になるまで耐えて自分を向上させなければなりません。
でもその先にはたぶん素晴らしい世界が待ってます。
諦めずに頑張ってください。
卒業制作はいつか企画される大規模なあなたの回顧展の最初の部屋に飾られる作品です。
失敗だらけかもしれないけど、思いっきり作ってほしいです。