小さな遅刻する人は年収が低い

よく遅刻する人がいます。
「まあ、この人は毎回遅刻するから」と割り切っているのですが、
しかし、その人が仕事相手だったらどのような接し方をしてゆきますか?

上にあげたのは5分10分単位で遅刻する人です。

しかし、大きな遅刻。仕事の大幅な遅延をする人がいます。
僕が見ていた中で印象的だった二件を紹介します。


まだ僕が恩師の元で仕事を手伝っていた頃です。
大きなプロフェクトを工房全体で取り組んでいて
連日帰宅が夜中になるような過酷な日々でした。
しかも、納品予定日が迫っているのに、とうてい完成しないような状況なのです。

いよいよ締め切りが近づいた時、恩師は納品延長の交渉をして
その後完璧な仕事を納めました。


もう一つ最近の件
今年の春「村上隆のスーパーフラット・コレクション」という展覧会が横浜美術館で開催されました。
普通、展覧会の図録ってあらかじめ撮影しておいた出品作品を編集して図録が完成しています。
しかし、この展覧会は会場風景も図録に収められました。つまり、会期が始まってから図録を作るのです。
よって、会場では予約はできますが、図録の販売は行われていません。
さて、普通どれくらいの日程で図録が完成すると思いますか?
会期のがまるまる二ヶ月間あったので、後半の日程で送られてきたり、会場に並ぶものだと思っていました。

が、しかし、完成したのは10月でした。1月の後半に始まった展覧会の図録が10月に出来上がったのです。

僕は村上隆さんのFacebookページをフォローしているので日々図録制作関わる切迫した状況を
リアルタイムで読んでいて
チーム総出で作ってこれだけ時間がかかっていることを感じ取っていました。


さて、最初にあげた数分遅刻するタイプの人と
プロジェクトの完成度を上げるために数ヶ月単位で予定を遅らせる人がいます。
お互い時間を守ることができていません。

ただ、僕は数分毎回遅刻するタイプの人で大きく成功している人
年収の高い人を見たことがありません。特にクリエイティブな仕事をしている人では。

この小さな遅刻タイプの人たちが、大きなプロジェクトの遅延を起こすとしたら
日々の生活のムラのせいです。しっかり毎日仕事していたらできることを、やっていない。
時間にルーズな人は、仕事にもルーズですから今後大きなプロジェクトを一緒にやっていくことはできません。
しっかり自己管理できてない人に高いオファーを出す人もいないから
よっぽど能力が高くない限り消えてゆくことでしょう。

一方で、大きなプロジェクトを遅らせても、信用が落ちない人は
普段の約束をきっちりと守っています。
当然、わざわざ小さな遅刻などしません。
大きな遅れが出ても毎日しっかりと仕事をしてくれていることが想像できるので
遅延の理由もプロジェクトの質の向上のためだと考えられます。
もちろん遅れないに越したことはないけど、その人やプロジェクトに払う対価は信頼度に比例してゆきます。


食べてゆけないクリエイターが多いのは
つまり信頼できる人が少ないからだと思います。

小さな約束は守れているか
正しい言葉づかいができているか
規則正しい生活ができているか
身なりは清潔か

一見作品や仕事に関係ないことでも
人は人にお金を払っています。
物や仕事を通して人間を見られています。
その時、あなたはどれだけの価値があるのでしょうか。

仕事の遅れは良くないけど、圧倒的なものを発表できれば魅力にも変わります。
ただし、小さな約束を守ることができる人に限ります。