個展制作は人生を振り返る修行みたいだな

初個展のための制作をしていると
人生の色々な場面を思い出します。

「制作に集中しろよ!」と言われそうですが、
「自分はなんで漆を始めて、今まで続けて来たのか。」
「誰のおかげでここまでこれたのか」
「この個展を通して何を得て、そしてその後どこへ向かうのか」
わりと本気で考えることが多くて
夜眠れないこともあります。

すると、感謝が溢れ出して来ます。

最初に漆を教えてくれた
高校時代の恩師の小原貢先生。

「初個展の写真は絶対撮ってくださいね!」
とお願いした写真家の大堀一彦先生。

お二人とも亡くなってしまったけど
今まで僕が漆を続けてこれたのは
このお二人の励ましがあったからです。

漆を12年かけて育ててくれて、採取してくれている両親
漆の技術と精神を教えてくれた、林先生、室瀬先生
大先生でもない僕の仕事を手伝ってくれているスタッフのみんな。
「ありがとう」といって所蔵してくれるみなさん。

寝る前に、いつも感謝してます。
同時に、
「僕はちゃんと恩返しできているのだろうか、努力は足りているのか」
という不安にも襲われます。

個展の制作って、ある種独特だと実感しています。
今までして来たことが全て、形になって現れて
迷うこともすごく多くて修行みたいだけど、
「ここを超えたらもっと成長できる」という感覚があります。

とにかく
個展まで一生懸命作ります!