蒔絵に夢中

高校生の時、魅せられた蒔絵という技法ですが
今も夢中です。
いや、その気持ちは加速しています。

Facebookで母校である吉備高原学園高等学校の卒業式のフィードを見て
懐かしい、蒔絵に燃えて(萌えて?)いた10代の頃を思い出しました。
その後高岡短期大学に入って一番嬉しかったのは
自分の道具が持てたことでした。

高校時代は道具や材料は全て学校のものを使っていたので
作品を含めて卒業時に漆関連の何も持っていませんでした。

だから、初めて手に入れた道具が嬉しくて
とにかく道具に蒔絵しまくっていました。
今から考えると、
「時間があったんだね。。」と苦笑してしまいますが
その当時は真剣に喜んでいることが道具から伝わってきます。

まず

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「ウオォォォ 自分の刷毛だ!名前書こう!」
ていう叫びが伝わってきそうな刷毛。
今なら「金がもったいないだろ、色漆で我慢しとけ」と言いそう。
ちなみに学生時代はまだ金粉が高騰しておらず、今の三分の一くらいで買えました。

そして

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こちらは塗師刀(ぬしとう)という漆全般に使う刃物の鞘
高蒔絵でセミを描いています
「ウオォォォォ 自分の塗師刀だ!セミを高蒔絵してみよう!」
これ多分何週間もかかってると思います。
「よくやるわ」と呆れます。

でも、こういうのって思い出になります。
損得勘定を全く考えてない
生身の行為というか、
夢中だったのが形に残っています。

きっと今作ってる作品を見た何年か後の自分は
「よくやるわ」って笑いながら言っている気がします。
30代の自分が初個展に向かう夢中の形。

今年卒業するたくさんの学生さんも
その時の夢中を大切に残していてほしいです。