成功している作家の共通点 その2

成功している作家の共通点 過去ブログ)
成功している作家に共通している事
それは
ものを作っているのではないということ。

別に手を動かしていないというわけではなくて
作品は自分の理想としている状態を、他者と共有するためのツールであると考えて、行動しているように見えました。
つまり、作品であるモノを作るのではなくコトを作っているように見えました。

先生がたはいつも理想的な状態について話していました。
作品がある事によって何が変化するか
誰が何のために使うのか
そういった事を徹底的に研究していたように思います。

美術生産工場からブランドへ変わるために必要なのは
理想だと思います。
たぶん人はモノではなく、それを手に入れた後に得られる事を求めます。
美術で得られる事とは何でしょうか。
そのオリジナルの答えこそ美の核心だと思います。

壮大な理想を語り、作品というツールを使って、コミュニケーションをとる
理想の状態を実現できるなら、ひょっとして作品は不要になるかもしれません。

僕が成功している先生方に共通して感じたのは
「きっと、先生は美術の世界じゃなくても成功していた」
という感覚です。
政界やビジネス、他の芸術分野
どれを選んでも、きっと頂点まで上り詰める人である事はわかります。

それはきっと、考えうる理想の状態を実現するための行動が正確だからです。
ビジネスや他分野の芸術も、その状態を実現するためのツールになります。

僕は芸術家を正直で純粋な存在だと思いません。
普通の人です。
ただ、理想の状態を作り上げ、それを共有するための行動に対してとても正直な存在だと思います。
だから、また会いたくなります。
その人の理想の話をもっと聞きたくなります。
作品を通して、少しでもその世界を覗いてみたくなります。

優れた作家の絵画作品は
キャンバスに乗った絵の具の痕跡ではなくなります。
または
漆が塗られた木製の箱ではないです。
そこには作家と所蔵家、鑑賞者の理想があります。
モノを越えた事の共有こそ芸術のあり方だと思います。

もちろん人間の理想ですから、純粋な感情だけではありません。
美意識の他に優越感など他者との差別意識や優位性の誇示も、大きな衝動だとおもいます。

モノを越えて、コトをつくる
成功している作家には、共通してそんな雰囲気がありました。