美しいという事

「迷ったら美しい方を選べ」
学生時代に林先生から言われた言葉です。
作品制作に関する質問への答えだったのですが、
その日から
自分の人生の指針にしています。

時代は移り
正誤は転換し
価値観は変化し続けます
情報があふれて
今では情報は集めるものではなく
選ぶもの・捨てるものになってきました。

たくさんの価値観が生まれる中で
自分なりの正義とは何か?と考えると
唯一揺るがないものがあるとすれば
それは「美しい」という事ではないかと思ったのです。

アートシーンはもちろん変動していますし
これからもとどまる事はありません。
しかし、過去に存在した美しさはどんな時代だって
人類に美を提供し続けてきました。
きっとこれからもそうだと思います。

自分の人生の判断に
美しさの要素を加えてゆきたいと思うのです。
正しいか間違っているかなんて、はっきり言ってわかりません。
でも、美しくありたいと思えばきっと間違った場所にたどり着く事はないと思っています。

いろいろな宗教があって、許す事のできない美意識もあるかもしれません。
でも、きっと人間はいつだって朝日の美しさに感動して
一輪の花に癒されてきました。
美しさはいつだって人間を支えてきてくれたんだと思うのです。