成功してる作家の共通点
漆の世界に入って17年になると
いろいろな人と出会う機会があります
幸運な事に、美術の世界で成功している先生にもたくさんお会いできました。
成功している先生の話を聞いたり
仕事を手伝う機会をいただくと
ある共通点が見えてくる気がします
もっとも強力だと思う共通点は
プレッシャーに鈍感な所だと思います。
あえてプレッシャーに強いと言わないのは
実際そう感じたからです。
危機的状況や
連続する締め切りに追われながらも
淡々と制作を続ける様子は
強いというより
感じていない
という言葉が適切なような気がします。
当然、トップクラスの美意識をもっているので
繊細な部分もあります
しかし、その繊細さを支える土台は
どっしりとしていて
柔軟な印象です。
長期間結果を出し続けて
第一線での評価を確立するような美術家は
決して繊細さだけで作品を作っていませんでした。
しかし、それは
先天的にその鈍感さをもっている訳ではなく
強い逆風に吹かれて
たくさんの批評に耐えてきた結果
感じる部分と感じない部分が
自分の中で作られてきたんだと思います。
人類が生み出した
永い美術史の中で
多くの先人が美へ挑戦してきました。
現代を生きて
美術史に挑戦するためには
最上級の美意識とともに
ある種の、感じない、動じない鈍感さが
美術史へのチケットだと思います。