漆芸作家 浅井康宏

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1983年6月9日生まれ

幼少時より学校に馴染めず不登校の日々をすごす。

岡山の全寮制高校「吉備高原学園高等学校」に入学する。

吉備高原で蒔絵に出会う。

蒔絵をさらに学ぶため国立高岡短期大学へ入学

さらに高い蒔絵技術を学ぶため東京目白の室瀬和美氏のもとへ弟子入りする。

2006年より実家の鳥取県に漆の植栽を始める。
現在200本の漆の木が育っており、父親の採取した漆を使って制作している。

独立後、作家活動を始める。

賞歴
2002年 日本漆工協会 「漆工奨学賞」
2004年 富山大学高岡短期大学部 「横山賞」
2005年 鳥取県美術展覧会 「奨励賞」
2007年 鳥取県美術展覧会 「奨励賞」
2008年 鳥取県美術展覧会 「奨励賞」
日本伝統工芸中国支部展 「県知事賞」
2012年 日本伝統工芸中国支部展 「奨励賞」
第59回 日本伝統工芸展 「新人賞」
2015年 第32回 日本伝統漆芸展 「文化庁長官賞」
2017年 第57回 東日本伝統工芸展 「奨励賞」
2018年 エネルギア文化・スポーツ財団 エネルギア美術賞

主なグループ展
2015年    Shangri-La Hotel Tokyo ニコライ・バーグマン×伝統工芸「伝統花伝」
2015年 安曇野髙橋節郎記念美術館 「うるしのみらい」
2018年  Ambiente 2018(ドイツ)  京都瑞鳳堂ブース
2018年    CRAFT SAKE WEEK 「しゅきや」  
2018年 日本橋三越本店 「漆の現在」
2018年 ART EXPO MALAYSIA 2018 Gallery 花影抄ブース
2018年 URUSHI 伝統と革新
2019年 鳥取県立博物館「Our Collections!  ~鳥取県のアート・コレクションの、これまでとこれから~」
2019年 高島屋 「美の予感 2019―∞directions―」


2015年11月
ブログを始める

ブログ用小画面

 

 

 

 

 

 

2017年春 初個展に合わせて作品集を出版する。

2017年6月 京都に移住

※作品集は3360円(送料こみ)で発売しております。
お問い合わせは メール yasu69689@hotmail.com
タイトル「図録希望」でお問い合わせください。

2017年に制作した図録は完売しました。
2020年秋に新しい図録の予約を開始しようと思います。


制作動画

美とは心の中にあるもの?

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日は「美とは何か」という大きなテーマについて書いてゆきます。

プロローグ
先日ある取材で「美とはなんですか?」という質問をいただきました。
「美とは何か」
根源的で難しいテーマですね。


取材の対話の中で少し自分の考えの中に進化があったように思いました。
その時僕が出した考えが

・美意識は時代によって変化する
・夕日の美しさや花の美しさも実は根源的では無いのでは無いか
・つまり美意識は後天的に学びによってもたらされるものなのでは無いか
という仮説を昔から持っているのでそのことについて話しました。

例えば、異性への愛情や美意識って本能的なものだから普遍的なもののはずです。
だけど、美人画はその時代によって、異なる「美」を表現しています。
現代の美女も100年後に手放しで受け入れられるとは限りません。


つまり、僕たちが思っている美って後天的な学びから得られている可能性もあると思っています。
それを発展させると、夕日の美しさや花の美しさすら、僕たちが人生の中で体得してきた美意識なのかもしれません。
考えてみてください。

なんの教育も受けないで誰にも合わないで人生を重ねた誰か、そんな人がいたとして
その人が、空を見上げて「太陽綺麗だな」と思うかはわかりません。

星野少ない都会生まれの人がニュージーランドの大空の満点の星空を見上げたら「星綺麗」と思うかもしれませんが
毎日のように見慣れていれば夜空の光にすぎないかもしれない。


ここで考えられるのは、
刷り込まれた情報の蓄積、非日常に僕らの心は動かされているかもしれないということです。
もしそれが美を感じる正体だったとしたら、少し寂しくなるかもしれません。

だけど、僕が感じた気づきはここからなのですが、
美意識は時代とともに進化し続けています。

そして新しい「美」が生まれた時、
場合によっては非日常的な「美」を感じるかもしれないし、
あるいは教育の範囲外として「美」と認定できない場合があります。

どちらも感情としては正しいのですが、
今まで会得してきた情報の外の美と出会った時、
そのものを新しい形の美を感じる心こそ「美」の核心なのでは無いかと思いました。

新しい「美」は必ず今、そして今後現れます。
その時、それに美を見出せること、
自分の中の感情のひだこそが美の正体なのかなと思いました。

長所、短所どっちを伸ばした方が得なのか。

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日は長所、短所どっちを伸ばすのが得なのか書いてゆこうと思います。


プロローグ
以前、昭和の価値観って「短所を伸ばしてこそ一人前」みたいなところがあったように思います。
苦手なことから逃げるのはダメみたいな空気感がどんよりと社会全体に漂っていたような。
一方で、最近は「得意なことを伸ばした方が良い」という価値観に置き換わってきた気がします。


実も最近まで僕も「断然得意なことだけを伸ばしていた方が良い」派でした。
だけど、ある言葉を思い出して、単純に割り切れないことが増え的なので書いてゆきます。

ある言葉とは「苦手を克服すると得意になる」という言葉。
これは僕が中学生の時のエレキギター教室のコウノ先生(漢字がわかりません)が教えてくれたこと。
先生の授業は反復練習が多くて、ドレミファ・・みたいな音階、ギターでいうスケールの練習をしてゆくのですが、
この練習って、最初から得意な人なんているわけないんですよ。

一音に2秒くらいかけて、ド、、れ、、、ミュ、、、、、、
って感じで恐ろしく時間がかかるし、最初は良い音が出ない。
「右手と左手で違う動きなんてできるか!!」って感じです。
という具合に、苦手から入るんですよ。

で、これを反復練習してゆくとドレミファとテンポに合わせて綺麗な音が出るようになる。
そこから反復練習を重ねて思ったメロディが自由に演奏できるようになるのですが、
このスケールの練習は苦手から始めて、指が覚えることで得意になるという実感があったのです。


このように「苦手の克服」にも利点があることを思い出しました。
では、苦手なことを克服するのが最善かというとそうではありません。

○肉体
○容姿
○知能

上記のことは、残念ながら生まれた時に割り振られた条件でその後の人生を生きてゆく必要がありそうです。
例えば、僕が今から「世界のトップモデルになってやるぜ」と血の滲むような努力をしても
身長170センチ代では無理ですよね。
オリンピックの100mで世界記録を作るというのも無理です。
肉体的な差異の限界は超えられないからです。

つまり
伸び代の無い苦手と
伸び代のある苦手

があるようなので、
自分の目指すジャンルを大きく括って、
その中で苦手を克服してゆくのはありなのかと考えます。


漆でいうと
塗りは得意だけど研ぎは得意で無い場合、
研ぎをしっかり反復して標準レベルまで持ってゆく。

英語だったら
スピーキングは好きだけど
単語は苦手な場合、単語を頑張ってみるとか。

というわけで、
大きな括りで得意を伸ばしてゆく中で
苦手が出てきたときは克服して得意になる方が得。

自分のスペックがそこで戦えるものでなく
伸び代が無い場合、その苦手に伸び代は無いのでさっさと諦める方が得なのでは無いかと最近思います。

インターン・アルバイト募集

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日はインターン募集のお知らせをします。

工芸系の大学・専門学校で漆を学んでいる人、または卒業した人で興味のある方に読んでいただけると嬉しいです。
早速

○仕事の内容
蒔絵・螺鈿の仕事
主に貝を貼る作業を中心に作品の制作助手を行っていただきます。

○場所
京都市右京区太秦

○給与
日当 7,520円
2年目から交通費支給

○業務日時
週二日
9:00から18:00(途中1時間休憩)
残業無し

○条件
大学または専門学校で漆を専攻していること。または卒業していること。
希望者には実技試験を受けていただき、内容で採用を判断します。


工房の作業は難易度が高く、学校とは違った上達をします。
およそ2年から5年間は日当に見合った実績をあげることはできないので、
上達していただき将来的に本採用として一緒に働けるチームのメンバーになってくれればと思っています。

お問い合わせは
ツイッターのDMか
yasu69689@hotmail.com

件名に「インターン希望」と入れてメールください。
どうぞよろしくお願いします。

コミュニティの作品コースのご案内

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こんにちは
今日は毎年キャンプファイヤーコミュニティの作品コースのご案内をさせていただこうと思います。


「浅井康宏漆芸制作室」というコミュニティをクラウドファンディング大手のCAMPFIREのサービスで行っております。
内容としては、月額制で掲載書籍や図録をリターンしたり、12ヶ月毎に作品をお送りするサービスです。
もともと、酒器を作って個展やグループ展で発表しておりましたが、クオリティを上げて行くと作れば作るほど赤字になってしまったので
クオリティの高い作品を値段を上げすぎないでお届けできる機会としてネット上のサービスを利用し始めました。

おかげ様で1年間かけてじっくり制作できるので、納得できる作品を作りお送りすることができております。
毎年少しだけ作品サポートの枠を増やしておりますのでご興味のある方に参加いただけると嬉しいです。

サイトURL
https://community.camp-fire.jp/projects/view/274486


内容
① 12ヶ月毎に酒器をお送りします。(毎年違う作品が届きます)
② ブックサポート付き(僕の作品が掲載された図録や雑誌を送ります)
③16,000円/月でご案内します。
④最初の1年目は蒔絵螺鈿高杯「クリスタル」をお届けします。2年目から新作酒器のお届けとなります。

一年目のリターン蒔絵螺鈿高杯「クリスタル」


2年目はこちらの作品になる予定
※毎年より良い作品を作ろうと思うので、もっと良いものを思いついたら変更になる可能性があります。


申し込み方法

ご希望の方は下記メールアドレスに希望の旨お伝えください。
makie.studio@gmail.com
メール件名「酒器コース希望」と御入力いただき
氏名
住所
電話番号
をお知らせください。

メールをいただきましたら作品枠のリリース日時を返信にてお知らせします。
リリース時間に合わせてコミュニティへの登録を行ってください。

注意点

※制作可能数が限られておりますので予定制作数を超えた場合、メールの先着順でご案内を行います。

※メールをいただいた方に優先的にコースリリース日時をあらかじめお知らせします。メールでご案内させていただいた数の枠を用意しますが、サイトの仕様上予約が取れないので、ご希望に添えない可能性もあります。その場合ご了承ください。

※リターンは12ヶ月毎になっております。リターン月以前に退会された場合、いかなる理由でもリターンをお届けできません。ご了承ください。

※トップ画像は昨年の参考写真です。デザインのアップデートの可能性があります。

以上どうぞよろしくお願いします。
質問がございましたらお気軽にメッセージください。

浅井康宏

月を見て思ったこと

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日は2022年3月5日の土曜日、漆教室を終えて、YouTubeLive配信を終えて
家に帰ってると、とても綺麗な三日月が見えました。

低い位置にある月はいつもより大きく見えて、赤かった。

三日月を見るのが好きなんだけど、それを見ながら歩いてて思うことがりました。
「この月をこの位置から今見ているのは自分だけだな」と。

心の中にある苦しみや、傷が自分だけのためにあるように
今、届いている光も自分だけの光なのだと。

誰にも理解されない苦しみがあるように
美しい光もきっと自分だけのためにある。

月の光が僕(あなた)のためにあるように
僕が作る作品の光も誰かのためだけに届けることができるかもしれません。
何千もの貝を貼ってゆくと、必ずどれかは輝いて見える。
それはきっと、その時の僕(あなた)だけのために輝いている。
そういう作品を作りたいと思いました。

細く長い活動+ちょっとのブレーク

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日はクリエイティブな活動に必要なのは
細く長い活動か、華々しいブレークかという話です。

これを書こうと思ったのは
二つのきっかけがあり、それぞれで思うことがあったからです。
ひとつは卒業制作展、もうひとつは建築家とのつながりです。

1,まず、卒業制作展シーズンなので、これから色々巡ろうと思いますが、
今まで見たことの無い作家の作品がたくさん見られる機会で楽しいです。
で、興味のある作家の作品をSNSで調べたりします。
その時、情報がある方がいいなと思います。
固定ポストに作品があるとわかりやすいです。

さらに遡ったときに、時々の作品がアップされてると
「この作家さんはこういうスタイルなんだな」とか「この時期に作品がガラッと変わってるな」
などがわかります。


2,最近、建築家にお願いしたいことがあって色々調べていました。
だけど、普通に暮らしていると、あまり出会わないので
建築家と顧客を繋げてくれるサイトに登録して、相談の投稿をしました。

色々な建築家からメールをいただいて、その人の得意分野をサイトを通して見させていただきました。
すると、活動がわかりやすい人とそうでは無い人がいると感じます。
そもそもサイトがなかったり、ブログが10年前で止まっていたりする。
そいう場合、作品がなかなか見えてこないんです。


この二つのきっかけで感じたのは
「活動を立体的に感じられる鍵は細く長い活動なのだな」というものです。
例えば、Twitterでつぶやきやインスタのアップでもいい。
停止していなければ、その人が活動していることがわかります。

もちろんバズったり、ブレークするのが望ましいけど、
そうならなくても、見てくれている人はいます。
そんな小さな点が誰かの目からは線になって、そして立体的な人間像に映ったりするんだなと思いました。


まとめると
○バズ(売れる、ブレーク)ることを考えなくていいから
淡々と活動を続ける、
○無理のない範囲で発表する
○たまにブレークすれば御の字
○明日も仕事する

というのがクリエイティブな活動において長期的に役立つように思います。

確実に訪れる漆の未来

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日は必ず訪れる漆業界の未来について書こうと思います。

1,日本での作り手は減少する
まず作り手は減少します。これは日本の人口比率から見ても明らかで、
日本における高齢化は工芸の世界でも顕著です。

2,漆の価格は上がる
これも確実なことで、ここ数年国産、中国産の漆は価格変更され上がりはするけど、
下がることは今後ないと思います。

3,海外進出は限定的
残念ながら市場を海外に向けたとき、マーケットは限定的だと思っています。

この三つの「たぶん訪れる未来」について書きますが、
全てが僕自身は悲観すべきではないと考えているので、その理由とともに現在考えている
未来像を説明します。

1,作り手の減少
日本は人口自体が減っているので、作り手も減ります。
ただ、美術大学を含め漆が学べる教育機関は多く、実は後継者の育成は行われています。

問題は、
「続けるのが難しい」こと。
僕もそうだったんだけど、独立して10年くらいは年収が10万円いかないような生活でした。
(その頃のことはこちらの記事で
よっぽど華やかな活動やキャリアを積まないと売れないことの方が多い。

一方で「何がなんでも続けたい」と思う卒業生は多くて、
そんな人たちの就職先は限定的だったり、
「弟子入り」という名のブラック労働がまかり通っていて
夢を描ける仕事になっていません。

考えてみてください。
専門的に学んで、卒業しても就職がなくて、
弟子入りしても生活できないようなお小遣いしかもらえない。

この状況はあまり良くない。
なので
作り手が増える→制作のクオリティが上がる→市場が活気づく
という流れを作りたいと思って活動をしています。

具体的には活動を株式会社化して
スタッフの社会保障を完備し、完全ホワイト経営をしています。
今は数人のスタッフしかいないけど、今後、活動が拡大すれば
上記の理想のサイクルが回ると思っています。


2,漆の価格は上がる
現状日本の漆液使用の国産、外国産比率は 
日本産5%に対して外国産が95%と輸入頼みになっております。
僕が学生だった頃日本産比率は2%だったから、上向いています。
だけど、完全に輸入に頼っている状況、しかも輸入先が中国一箇所なので、
国際問題や中国の人件費問題など、状況が変われば、日本の漆産業は壊滅します。

冷静に考えて、中国の人件費がいつまでも安いとは考えられないので
これからも価格は上がってゆくでしょう。

そこで、日本の漆採取の機械化を急ぐ必要があります。
(このことに関して書いた過去記事はこちら
伝統技法と言っても、一滴一滴人が木から漆を採取することが
漆の未来だと思えないのです。

機械化して、もし漆の性質に差が出るならば、
戻る必要があるかもしれないけど、得られる漆が一緒なのに
苦労に美意識を感じ、衰退して良いわけがありません。

これは傍観者として言っているのではなく、
家族で漆を育てて、採取している立場からの発言です。

3,海外進出は限定的
インターネットが普及して世界と繋がれる時代に突入しました。
個人のレベルで、海外になんでも送れます。
では漆の海外進出は可能なのか。
ここについても夢のないことを言うと
「可能だが限定的」と思っています。
具体的に言うと、
漆器は難しい、美術品としての漆は可能性がある。
↑漆器を卑下しているわけではないので、最後もで読んでいただけると嬉しいです。

漆器の海外展開が難しい理由は
食文化の違いがあるからです。
僕たちは、箸を使い、お椀に直接口をつけて食事をしますが、
この文化はアジア限定だったりします。

漆器でナイフとフォークを使うと
傷だらけになるので、洋食全般使えません。

ここで食文化と共に食器もセットで売り込みたいとも考えていましたが、
僕らが日本的な食事に馴染んでいるように、それぞれの国の食文化にも
歴史があり、定着した習慣があるので
「こちらの文化に合わせて」と言うのは難しいような気がします。

残念ながら食洗機に木のお椀を入れると
木材が割れたりするので、日本でも食器としての漆は今後も減ってゆくと思います。


では無くならないために何をすればいいか。
僕が今考えている答えは
「美意識を先行させる」です。
先ほど述べたとおり、漆器は人を選びます。
だから、食器から漆に馴染んでもらうことがこれから難しくなると思うんです。

なので、美しい作品で漆を知ってもらう→その後生活に取り入れてもらう
と言う流れが今後の生き残り戦略なのではないかと思います。

松田権六という明治生まれの先生も
漆文化を守るにはお椀が大切だと言って
お椀の研究資料を作っていたけど、
松田先生はバリバリの作家で、食器を作る人ではありません。
つまり美意識を先行させた上で、裾野を広げる作戦を実践していたのではないかと思います。

生活に寄り添った漆器は大切ですが、
このままいくと50年くらいかけてゆっくりと滅びてゆくと思います。

今僕は
漆が衰退する未来をどうにかしたい。って思ってなくて。
こんなに素晴らしいんだから発展するとしか考えていません。

あらゆるビジネスと一緒で、間違った方向に走れば失敗するけど
雄大な漆芸史の中に生きて現代を見つめてゆけば、きっと答えは見つかると思っています。
衰退の一途を辿っているのなら、今を起点上昇できると信じています。

物事を習慣化させる独自ルール

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あけましておめでとうございます。
2022年最初の投稿は「今年はこういう年にするぜ!」と良い習慣を目標にした人に向けて
僕なりにうまくいった、習慣を作りやすいルールについて書いてみます。
僕なりのルールなので全ての人に合うかわからないけど、部分的に試してみて良いかもしれません。

1、時間と場所を固定化する
僕は19年くらい日記のようなデザイン日誌(図案日誌)を付けています。
毎日アイデアスケッチを描いているだけなのですが、そのデザインを考える
一見クリエイティブな作業を習慣化してます。

だけど、ここ数年描けない日が増えていたんです。
理由は環境の微妙な変化だったことに気がつきました。

もともと日誌を書くタイミングは「寝る前」だったんですが、
結婚すると1人の時と違って、電気を切るタイミングも気を使いますよね。
その「眩しいから早く電気消さなきゃな」という、ちょっとした気遣いみたいなもので
習慣を維持するのが難しくなっていたのだとわかりました。

現在日誌を描くのは「朝の掃除の後」です。
朝起きて、掃除機をかけて、ヨーグルトを小皿に入れた後に描く
というのを習慣化していて、それがうまくいっています。
毎日同じ場所で
掃除→ヨーグルト→デザイン
という流れを作っています。掃除とヨーグルトを強調しているのも意味がありますので、
後半に補足します。

2、お金をかける
新年の目標に「ダイエット」と「教養」を掲げる人も多いのではないでしょうか
「今年は〇〇キロ痩せる!」「英語を勉強する」とか。←ちなみにこれは僕の自身の目標でもあります。

こういう時僕は、お金で習慣化を買います。
忙しい毎日、何かを習慣にするのって結構きついことだと思うんですよ。
そのために時間を作らないとならないので。

そこで、サービスを買ってしまいます。
例えば、SIXPAD HOME GYM
これはオンラインで行うジムみたいなサービスですが、
プログラムが一月4000円くらいします。割と高い。

この「割と高い」感じが
「もったいないから頑張ろう」という感情に連動させて
習慣化させています。
英語もオンライ英会話を続けているのは、
サービスを買っているからというのも大きいです。

習慣化スイッチを作る
最後に「習慣化スイッチ」です。
どうやら人間の脳は3週間くらい続けていることを習慣と認識して
自動的に続けやすくするようなのですが、
それを継続するためのスイッチがあると良いと思っています。

例えば、以前僕は自宅の工房で作業をしていたのですが、
「歯磨きをしてから作業する」という流れを作っていました。
朝起きて→ご飯を食べて→歯磨きをして→作業する

このように連続した流れがありました。
昼も作業前に歯磨きをしているのですが、
歯磨きしたら作業するという流れがあるので
「今日はだるいなー」という感覚になることもなく
「歯磨き」「作業」「歯磨き」「作業」が連動して習慣化されていました。

ここで最初の「時間と場所を固定化する」の
「掃除」「ヨーグルト」に意味が出てきます。
掃除→ヨーグルト→図案の流れです。


ちょっとしたことだけど、忙しい毎日に新しい習慣を作るのは案外難しい。
そんな時に僕が行っている習慣化のコツが合いそうだったら試してください。

2021年 今年を振り返る その2

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日は2021年12月31日 大晦日です。
このブログは今年最後の記事になりますので、前回のブログから引き続き振り返りを書いて行きます。

今回は下半期を振り返って行きます。

下半期は5年ぶりの個展が開催されました。
そのために活動の全てを注ぎ込みました。

個展に合わせて行った活動は
作品集制作
念願だったハードカバーの作品集を制作しました
この制作がとても大変だったんです。
過去作を含めて手持ちで東京へ運び撮影を進めて行きました。
手元にない作品は直接お預かりに行くため、全国を飛び回りました。

文章も書いていたのですが、執筆する時間が作るのが難しくて、
移動時間を使って書いてゆくのですが、
途切れ途切れの文章をどうにか繋いで、校正に出す→翻訳に出す。
さらに校正を何度も重ねて行きます。

デザイン・写真は世界のどこに出しても恥ずかしくないクオリティーの仕上がりとなっております。
もちろん作品も世界を目指して作っております。

会場造作
個展は会場の演出も頑張ろうご思いました。
映像の投影を軸にじっくりと作って行きました。
映像は新作をモチーフにしたCG作品
そして、「蒔絵螺鈿箱 軌跡」の制作を追ったドキュメンタリー映像を会場で増設した、巨大な壁面に投影しました。

映像のプロジェクトに関しても多くのプロフェッショナルと共同して制作できたのがとても楽しかったです。


今年は個展を軸に活動してきましたが、
自分にできることの限界を思い知る年でもありました。

来年は最高傑作を更新してゆけるように作り続けます。

今年は本当にありがとうございました!!
来年もよろしくお願いします。

2021 今年を振り返る その1

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こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日は2021年12月29日ということで、今年を振り返ってみようと思います。
別にためになることは無いと思うので、個人的な日記を読んでいるような感覚で眺めてもらえればと思います。

まず今年の前半1月から00:00Live(フォーゼロライブと読みます)という動画プラットフォームで制作のライブ配信を始めました。
https://0000.studio/Asai/contents/169ee9d3-f6b1-44ac-a901-0e140de9c8d1

こんな感じでひたすら作業を配信していたりします。

それで、楽しく配信していたら公式に取材してもらうことができました!

https://note.com/0000studio/n/n962cfc008d88

そして、個展前に再度取材していただけました。
https://note.com/0000studio/n/n245633ddd53b

さらに、個展の設営をライブ配信しようと考えていると、
00:00で繋がっている方から「公式に声かけてみる!」と言われ、
あれあれよと、公式ライブ配信となりました。
間を繋いでくれた方、そして運営さんには感謝です。
その時の配信がこちら
https://0000.studio/0000admin/broadcasts/ab9e7535-db42-4114-bc5b-91c206ba3337/archive

壁面が造作され、プロジェクターの調整が行われてゆくところが見られます。


クラウドファンディング

個展に向かうために2度クラウドファンディングを実施しました。
1度目は作品集を作るため

2度目は個展の会場設営のためです。
二つのキャンペーンは成功し、なんとか思った個展を行うことができました。
当然個展は始まってみないと結果がわからないけど、
出てゆく費用はわかるわけで、大変な危機感の中で企画を進めてゆくわけです。
個展前は回収できるかわからない莫大な借金のプレッシャーとの戦いでした。

普通だったら、耐えられなかったけど、クラウドファンディングで
資金面もそうだけど、精神的にも「応援してくれている人がいる」という気持ちの拠り所ができたようです。d


2021年下半期については
また明日書こうと思います。